残念論①
残念というのは、極めて高尚な感情である。
全く純粋に、”残念”と思えるなら。
心ならずも期待していた事に、裏切られるから、人は「残念だ」と思う。そんな怒りや蔑みもなく、ただひたすらに、”残念”に思えたら。
前向きにも後ろ向きにも、期待する気持ちというのは、拭い切れないものである。
他人や未知なるモノ・コトへのアプローチは、想像という名の期待から始まる。
自分の思った通りであること。自分と同じような考えを持っていること。全く茫洋としたモノを、人はそのままに扱えない。
例えば苦手な、嫌いな人に対してさえ、自分が持っている良識や常識で測ろうとしてしまう。まさかそんなことはないだろう。そしてまた、裏切られる。
残念な話である。