駄文日記⑩
大学を卒業したら、残りの人生は余生だと、本気で思っていた。
これ以上の日々はないだろう。いわく、極大点だった、と。
「最大」とは言わない。だがこのあと、確実に低迷する。でもいつか、この日々を超える日常に出会いたいと、淡い期待を胸に秘めて……。
しかし、人生は長かった。
過去が懐かしいとき、”今”に満足できないのは非常に悔しい。
本当の余生ではないのだから、すべきこと、したいこと、したくないことに日々、悩まされる。こんな人生じゃ勿体ない。達観なんてできない。
生活には感情がともなう、ということを失念していたのだろう。挫折の経験すらなかった、ということか。
帰りたいと思えるような過去なんて、今までなかったから。想い出は眩しい、その光は毒にもなる、そんなことも、知らなかった。
コロナ3年後。留年していれば大学七年生。今年はいいかげん、”足掻き方”を知る一年になりそうであった。